2020年5月14日木曜日

日本電産 永森会長のインタビューから受けた衝撃

先週、日本電産永守会長のインタビューを見て衝撃を受けました。永守会長と言うと、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」「死力を尽くしたか」など、仕事に対しての情熱を燃やし続ける、日本を代表する経営者の一人です。過去には「一人の天才よりも、100人の協調できる凡才が会社を担っている」と言う言葉を残されたように、自分の社員を家族のように守る、古き良き経営者でもありました。その永守さんが、インタビューでこのように話されていました。「生産効率というか、仕事の効率が客観的にみても半分以下。場合によっては3分の1ぐらいしか実際の仕事はできていない所ある。」しかし、「中には出社していた時以上の成果を出すものが現れている。通勤時間が減った分、逆にその時間を使ってお客様にアプローチし、売上を上げている。」「これは徹底的に意識を変えていただかないと、テレワークは成功しない。あなた自身のことはあなた自身が、自己管理をしてくださいと。自己管理を。ところがまあ、見てもらえば分かりますけど日本の場合は自己管理できる人なんて少ないんですよ。というのは、欧米は、何かあったらクビになるんですよ。自分のノルマが達成できなかったら。」そして、日本電産では、人事評価制度を全体主義から、個人の成果主義へ、大きく舵を切ったそうです。在宅勤務を余儀なくされた結果、その場で仕事の状況を見る訳にもいきませんから、いわゆる「ガンバリ」を評価されにくくなります。逆に、どれだけの時間を使ったかでなく、仕事の結果こそが、会社の価値を生み出している、という考え方にシフトして来ています。

成果主義の考え方は特に欧米には古くからあります。しかし、この発言をしたのが永守さんであるからこそ、私は衝撃を受けましたし、日本電産社員全員も危機感を持って聞かれているのでは無いかと思います。弊所でも、評価基準の見直しの検討を開始しました。

プロアクティブ、プロダクティブ、プロフェッショナル。時間価値の概念は今、大きく変わりつつあります。